
大切な方を見送る日、ご家族が一か所に集まれる時間は、長い人生の中でも数えるほどしかありません。
祭壇に飾られた白菊、灯された明かり、喪服に包まれた親族の後ろ姿——それらを一枚の写真として手元に置いておきたいと思うのは、ごく自然な気持ちです。
一方で「葬儀に記念写真」という組み合わせに、まだ戸惑いを感じる方も少なくありません。
「撮ってよいのか」「誰に許可を取ればよいのか」「何を残せばよいのか」——そうした疑問を抱えたまま式当日を迎えると、後悔につながりやすくなります。
この記事では、葬儀の記念写真について「何を撮れるか」「撮れないものはなぜか」「許可はどう取るか」「当日どう動くか」「どう残すか」を、撮影現場の実際に沿って整理します。
はじめての方でも、当日あわてず納得のいく記録を残せるよう、順を追ってご案内します。

監修者|高橋 丈太郎
葬儀業界歴3年。
葬儀現場での写真・動画撮影を100件以上担当し、通夜・告別式・家族葬など多様な形式の葬儀撮影を経験。現場理解と記録技術の両立を強みとしています。お葬式・葬儀撮影に関する正確で実践的な情報を発信しています。
葬儀の記念写真とはどういうものか?
葬儀の記念写真は「家族が集った日の記録」です。
後から見返すほどにその価値が増す——葬儀撮影サービス|燈が受け取る声の中でも、もっとも多いのがこの言葉です。
「記念写真」という言葉は、旅行や行事の場面で使われることがほとんどです。
葬儀においては、大切な方を見送った日の祭壇・供花・ご家族の姿を形として残すことが、その本来の意味に重なります。
写真は、時間が経つにつれて価値が増します。
式の翌日よりも、一年後・三年後に見返したとき、その日の空気や気持ちが鮮明によみがえることがあります。
「残しておいてよかった」という声は、葬儀撮影サービス|燈が撮影した現場のご家族から繰り返し寄せられています(葬儀撮影サービス|燈調べ)。
葬儀の写真撮影の全体像については、葬儀の写真撮影ガイドでも詳しく解説しています。

葬儀の記念写真は何を撮れる?撮れないものは?
祭壇・供花・式の節目・後ろ姿は記録に向いています。
火葬場の炉前は施設規則で原則撮影不可。希望するなら、式の前に葬儀社を通じて確認しましょう。
「何を撮れるか」は、場所・対象・共有の目的によって変わります。
あらかじめ「残すもの」と「控えるもの」を整理しておくと、当日の判断がぶれにくくなります。
| 区分 | 主な対象 | 考え方 |
|---|---|---|
| 残しやすい | 祭壇の全景・供花・遺影まわり・式場の雰囲気・後ろ姿 | 特定の個人が写りにくく、配慮しやすい |
| 配慮して残す | 焼香・献花・ご親族の表情 | 事前の同意と、控えめな距離で |
| 原則控える | 火葬場の炉前・収骨室、参列者の顔のアップ | 施設規則・肖像権に関わるため事前確認が必要 |
火葬場での撮影は「法律で一律に禁止」というわけではありません。
多くは各施設の規則や、ほかのご遺族への配慮から原則不可とされています。
炉前の見送りをどうしても形に残したい場合は、葬儀社を通じて式の前に施設へ確認しましょう。当日ではなく、できれば打ち合わせの段階で確認しておくと安心です。
火葬場での撮影の許可手順については、火葬場での写真撮影の可否と確認の手順でも詳しく解説しています。
「不謹慎では」という気持ちにどう向き合うか
撮影そのものは不謹慎ではありません。
「誰の同意を得て、どこまで共有するか」を式の前に整えることが、安心して記録を残す出発点です。
「お葬式で写真を撮ることへの抵抗感」を口にされるご家族は少なくありません。
ただ、その気持ちをよく聞いてみると、写真を残すこと自体への違和感ではなく、「ほかの参列者にどう見られるか」「宗教者の方に失礼にならないか」という不安から来ていることがほとんどです。
事前に喪主さまの了解を得て、フラッシュなし・低姿勢・静音で記録するのであれば、式の厳粛さを損なうことはありません。
プロのカメラマンに依頼するとご家族が気を遣わずに済み、見送りに集中できるという利点もあります。
高橋 丈太郎現場で喪主さまから「最初は迷っていたけれど、残しておいてよかった」とおっしゃっていただくことが多くあります。
式が終わった後に「撮れなかった」と後悔するより、事前に一言伝えて記録しておく選択の方が、長い目で見るとご家族の心の支えになると感じています。
宗教者の方も、目的と方法をきちんと伝えれば、多くの場合は快く受け入れてくださいます。
葬儀の記念写真に許可は必要?誰に確認する?
許可は「喪主さま → 葬儀社・式場 → 宗教者」の順に確認するのが基本です。
目的・対象・方法・共有範囲の4点を短く伝えるだけで、流れが整います。
葬儀の記念写真を残すとき、もっとも大切な準備が「許可の確認」です。
ご家族の一人が独断で撮影すると、後からほかの参列者との間に気まずさが生じることもあります。
式の前日までに確認しておくと、当日の撮影が落ち着いたものになります。
- 喪主さま…ご家族の記録として残してよいかの最終判断
- 葬儀社・式場…会場内で撮影できる範囲や立ち入り可否
- 宗教者(僧侶・神職・牧師など)…式の最中の扱い
伝えるときは、「目的・撮る対象・方法(フラッシュなし等)・共有範囲」の4点を短くまとめると伝わりやすくなります。
「家族の記録として、祭壇を中心に、フラッシュを使わず、親族内での共有のために」という一言でも十分です。
許可の具体的な進め方については、葬儀での写真撮影マナーと許可の取り方もあわせてご覧ください。


どの場面を残すと、後から見返せるものになるか
祭壇の全景・供花のたたずまい・出棺のお見送りは、後から見返したとき最もその日を呼び起こします。
式を止めずに、節目を静かに押さえることが大切です。
葬儀は時間とともに場面が移っていきます。
どの瞬間を残したいかを先に思い描いておくと、当日の撮りもらしが起こりにくくなります。
| 場面 | 後から見返したい瞬間 | 撮る際のポイント |
|---|---|---|
| 通夜 | 祭壇の設え、弔問の様子、灯される明かり | 正面からではなく斜め45度から広角で収める |
| 告別式 | 祭壇の全景・読経や献花の時間・会場全体の雰囲気 | フラッシュなし・ISO感度を上げて自然光で |
| 出棺・お見送り | 最後のお別れ、見送るご家族の後ろ姿 | 引いた位置から後ろ姿をとらえ、しめやかさを保つ |
とくに告別式の祭壇は、ご家族が心を込めて整えた空間です。
正面から落ち着いて収めることで、供花の色や生花の美しさも記録に残ります。
出棺の場面は、引いた位置から後ろ姿をとらえると、しめやかさを保ったまま形にできます。
当日の記念写真撮影——場面ごとの動き方チェックリスト
当日は「式を止めない・フラッシュを使わない・立ち位置を先に決める」の3点を守るだけで、ほとんどの問題は防げます。
以下を式の前日に確認しておきましょう。
許可を取った後も、当日の動き方で式の雰囲気は変わります。
プロに依頼する場合は打ち合わせで確認済みですが、ご自身やご家族の誰かが撮る場合は、以下の点を前日までに整えておくと安心です。
- 喪主さま・葬儀社・宗教者の3者への許可確認は前日までに済ませる
- カメラのシャッター音を消音(サイレントモード)に設定しておく
- フラッシュはオフ固定。暗い会場はISO感度・露出で対応する
- 立ち位置は式場スタッフに確認し、通路や参列者の動線をふさがない場所を選ぶ
- 参列者の顔が写り込む可能性がある場面は、後ろ姿か全景で収める
- 祭壇の撮影は式が始まる前(開式前の静かな時間)が最も落ち着いて収められる
- 出棺後は会場内の供花の最終形も記録しておくと、花の記念になる
こうした当日の段取りは、プロのカメラマンに依頼すれば事前打ち合わせで全て整います。
ご家族が撮影に気を取られずに見送りに集中できるのも、依頼の大きな利点です。
「式の記録を写真で残したい」「声や流れも動画で残したい」——ご希望に合わせてお選びいただけます。
- 写真撮影プラン…祭壇・式の流れを写真で残したい方に(79,800円〜・税別)
- 動画撮影プラン…読経・弔辞など声も残したい方に(98,400円〜・税別)
- カメラマン紹介…撮影者の人柄を事前に知りたい方に
東京23区は出張費無料。どのプランが合うか迷うときは、まずはご相談だけでも構いません。
詳しくは葬儀撮影の相談・依頼フォームからどうぞ。
自分で撮るのとプロに頼むのは何が違うか
プロに頼む最大の価値は、写真の質だけではありません。
ご家族が撮影を気にせず、見送りの時間だけに集中できることです。
ご家族が自分で撮ると、弔問対応や進行と撮影が重なり、気持ちが分散してしまいます。
「あの場面を撮り逃した」という後悔は、式が終わってから気づくことがほとんどです。
祭壇の正面に立てる時間は短く、出棺の瞬間は一度しかありません。
プロのカメラマンは、暗い会場での露出調整・無音シャッター・低姿勢での動きに慣れています。
式の流れを熟知しているため、「次はどの場面が来るか」を先読みして撮影できます。
葬儀撮影サービス|燈は葬儀専門の撮影サービスとして、仏式・神式・キリスト教式・家族葬・社葬など、多様な形式の現場を撮影してきました(撮影事例はこちら)。
- ご家族が弔問・進行に専念できる
- 暗い会場でも無音・低姿勢で式を妨げない
- 祭壇や供花を、後から飾れる品質で残せる
葬儀撮影は「電話」もしくは「お問合せフォーム」からご依頼が可能です。


撮った記念写真はどう残す・どう共有するか
「誰が管理し、どこまで共有するか」を式の後すぐに決めておくことが大切です。
遺影の整理やアルバムとして、長く手元に残せます。
撮影後にとまどいやすいのが、データの保管と共有の方法です。
ご家族の間で「誰が管理するか」が決まっていないと、後から行き違いが生じることがあります。
まず「管理者を一人決め、共有範囲を先に話し合う」ことをおすすめします。
参列者の顔が分かる写真は、外部への公開を控え、ご親族内にとどめるのが基本の考え方です。
SNSへの掲載は肖像権・個人情報の観点から特に慎重に判断してください。
「誰かに見せる前に、一度立ち止まって確認する」という習慣が、のちのトラブルを防ぎます。
出典:個人情報保護委員会
残した写真は、遺影として整えたり、アルバムにまとめてご親族へ贈ったりできます。
遺影の準備については遺影写真の準備を家族で進める手順もあわせてご覧ください。
まとめ:家族が集う日を、一枚に
葬儀の記念写真は、悲しみの記録ではなく、家族が集った特別な日の証です。
撮るものを決め、許可を取り、当日の動き方を整えれば、後から大切なよりどころになります。
- 祭壇・供花・式の節目・後ろ姿が主な対象。火葬場の炉前は施設規則で原則不可
- 許可は喪主さま → 葬儀社・式場 → 宗教者の順に、目的・対象・方法・共有範囲を短く伝える
- 当日はシャッター音消音・フラッシュオフ・立ち位置の事前確認が基本の3点
- プロに依頼するとご家族が見送りに専念できる。葬儀撮影サービス|燈は写真79,800円〜・動画98,400円〜(税別)、東京23区出張費無料
- 撮影後は「管理者と共有範囲」を先に決めると、データの扱いでとまどわない
葬儀の記念写真に関するよくある質問
- 家族葬でも記念写真を残せますか?
-
少人数の家族葬でも、祭壇の全景・供花のたたずまい・お別れの時間は記録できます。参列者が少ないからこそ、ご親族一人ひとりの表情や時間の流れを丁寧に収められるという面もあります。葬儀撮影サービス|燈では家族葬の撮影事例も多く、どうぞご相談ください。
- 自分でスマートフォンで撮るのと、プロに頼むのでは何が違いますか?
-
スマートフォンでも祭壇の記録は残せます。ただし、暗い会場でのノイズ・シャッタータイミングの遅れ・式の流れを熟知した立ち位置の判断はプロに分があります。何より、ご家族が撮影を気にしなくて済む分、見送りの時間に集中できることが大きな違いです。
- 参列者が写り込んだ写真は共有してもよいですか?
-
顔が分かる写真を共有する際は、本人の同意と共有範囲の確認が大切です。外部公開は控え、ご親族内にとどめるのが基本の考え方です。SNSなどへの掲載は特に慎重に判断してください。
- 記念写真として残してよい場面と、控えたほうがよい場面はどこですか?
-
祭壇・供花・式場の雰囲気・後ろ姿は記録に向いています。参列者の顔が分かる写真や感情が強く出る場面は配慮が必要です。火葬場の炉前は施設規則で原則撮影不可のため、希望する場合は葬儀社を通じて事前に確認してください。
- 葬儀撮影サービス|燈への依頼はどのように進めますか?急な葬儀でも対応できますか?
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まずはお問い合わせフォームまたはお電話でご連絡ください。日程・会場・ご希望をお知らせいただいた後、打ち合わせ・当日撮影・データ納品の流れで進めます。葬儀は急に決まることも多いため、前日・当日のご相談も承っています。


監修者|川人 大展
葬儀業界歴5年。
葬儀社にて現場運営やご遺族対応、式場管理を担当してきました。「葬儀撮影サービス|燈」では、進行やご遺族の心情に配慮した表現を監修し、実務経験に基づく正確で信頼できる情報発信を支えています。
「遺影・記念写真」のお役立ちコラム
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