遺影写真の作り方|選び方から入稿・サイズまで

遺影写真の作り方|選び方から入稿・サイズまで

「どの写真を選べばいいかわからない」「スマホ写真でも大丈夫か不安」——遺影写真の準備は、ご逝去直後の数時間で判断を迫られることがほとんどです。
葬儀社から「候補を2〜3枚お持ちください」と言われても、アルバムを一冊ずつ探している時間はありません。

この記事では、遺影写真の選び方・サイズの基準・スマートフォン写真の入稿可否・背景加工の選び方・入稿の手順まで、現場での経験をもとに順を追って整理します。
生前に準備を進めたい方にも、いまご遺族として急ぎの判断が必要な方にも、実際に役立つ知識をまとめました。

なお、葬儀撮影全体の流れや費用については葬儀の写真撮影ガイド(費用・流れ・撮れるもの)もあわせてご覧いただくと、全体像が整理できます。

この記事でわかること
  • 遺影に向く写真の条件——表情・ピント・背景の3点が選択の軸、候補は2〜3枚用意する
  • 遺影の標準サイズは四つ切(254×305mm)が葬儀用、L判〜2L判が仏壇・手元用
  • スマートフォン写真でも入稿できる条件(1,200万画素以上・元データ必須)とできない条件がわかる
  • 背景色・服装の加工は葬儀社経由で依頼でき、色の指定は「故人が好きだった色」で伝えられる

本記事の執筆者
葬儀撮影サービス|燈の監修者・高橋丈太郎が屋外で微笑むポートレート、葬儀撮影の執筆者紹介用

監修者|高橋 丈太郎

葬儀業界歴3年。
葬儀現場での写真・動画撮影を100件以上担当し、通夜・告別式・家族葬など多様な形式の葬儀撮影を経験。現場理解と記録技術の両立を強みとしています。お葬式・葬儀撮影に関する正確で実践的な情報を発信しています。

目次

遺影写真はどうやって選ぶ?

顔にピントが合っていて、穏やかな表情であること。
この2点が最初の判断軸です。

遺影写真を選ぶとき、まず確認したいのは「顔に焦点が合っているか」です。
四つ切サイズ(254×305mm)まで引き伸ばすと、顔のぼけや粗さが目立ちやすくなります。
全体がぼんやりしている写真や、顔が豆粒ほどにしか写っていないものは、どれだけ表情が良くても仕上がりに影響します。

表情は「笑顔でなければいけない」というわけではありません。
旅行先や食事会など、ふだんの一場面を切り取った写真が選ばれることも多く、「その人らしい顔」かどうかが何より大切です。
正面を向いている必要もなく、少し斜めを向いたものや自然な横顔が、遺影に使われるケースも少なくありません。

確認ポイント向く写真気をつけたい写真
ピント・解像度顔にピントが合い、引き伸ばしに耐えられる全体がぼけている、顔が極端に小さい
表情穏やかで故人らしい自然な顔目が閉じている、強い逆光で影が多い
背景シンプルで人物が際立つ複数人が密着し切り抜きが困難

背景は加工で差し替えられるため、込み入っていても大きな問題にはなりません。
ただし人物どうしが重なり合っている場合、切り抜き処理が難しくなることがあります。
「これしかない」と一枚に絞らず、2〜3枚の候補を選んで葬儀社へ持参するのが現場では確実です。

遺影選びのチェックリスト(候補写真を絞り込む3ステップ)
  • 顔にピントが合っているか(スマホ画面で拡大して確認する)
  • 故人らしい表情か(家族が「この顔がいちばんその人らしい」と思えるか)
  • 候補が2〜3枚そろっているか(1枚に絞り込む前に葬儀社に相談する)
フォトブックと写真

遺影のサイズはどう決まる?

葬儀の祭壇用は四つ切(254×305mm)が標準です。
手元に残す小さい遺影はL判や2L判が一般的です。

遺影のサイズは、飾る場所と用途によって変わります。
葬儀の祭壇に飾る大きな遺影は、四つ切(254×305mm)が長年の慣例として広く使われています。
斎場によっては額のサイズがあらかじめ決まっている場合もあるため、葬儀社に確認しておくと安心です。

用途一般的なサイズ使う場面
葬儀の祭壇四つ切(254×305mm)祭壇中央への設置・告別式
仏壇・手元に飾るL判(89×127mm)〜2L判(127×178mm)自宅の仏壇・リビングへの設置
親族へ配る用ポストカード判(100×148mm)前後ご法要の際にお渡しするなど

葬儀後に仏壇やリビングへ飾り直すとき、四つ切サイズはやや大きく感じることがあります。
最初から複数サイズをセットで注文できる葬儀社や写真店も多いため、「葬儀用と仏壇用の2枚」として用途をあわせて伝えておくとスムーズです。
追加注文より、最初にまとめて依頼するほうが仕上がりの色味も揃いやすくなります。

スマートフォンの写真でも遺影にできる?

近年のスマートフォンは画素数が高く、多くの場合は四つ切への引き伸ばしに対応できます。
ただし古い機種や大きくトリミングした写真は、仕上がりに影響することがあります。

スマートフォンのカメラは年々性能が上がり、現在は1,200万画素以上のものが大半を占めています。
四つ切サイズへの引き伸ばしには300〜400dpi程度の解像度が目安となるため、画素数が十分あれば対応できる場合がほとんどです。
ただし、顔部分だけを大きくトリミングして使う場合は、元の解像度から大きく落ちることがあります。

データ形式はJPEGで問題ありませんが、LINEやSNSを経由して送った写真は圧縮されて画質が下がっています。
入稿するときは、撮影時の元データ(原寸のまま)を使うのが基本です。
「これで大丈夫か」と判断に迷う場合は、葬儀社に直接見せると早期に確認できます。

高橋 丈太郎

撮影現場で遺影まわりを撮る際、「ピントが顔に来ているか」を特に意識しています。
スマートフォンのポートレートモードは背景ぼかしが強くかかることがあり、画像によっては顔との境界が処理しにくい場合があります。元データのままお持ちいただくと、葬儀社でも判断しやすくなります。

思い出のアルバム

遺影の背景色や加工はどう選ぶ?

背景色に決まりはありません。
グレー・薄い青・白が多く選ばれますが、故人のイメージに合う色で整えることができます。

遺影の背景色として、かつては白や灰色が主流でした。
近年は薄い青・淡いベージュ・淡いラベンダーなど、柔らかい色調を選ぶご遺族も増えています。
「故人が好きだった色」「季節感のある色」という形で選んでも、どの色が正解というルールはありません。

背景だけでなく、服装の差し替え加工にも対応している写真店が多くあります。
普段着の写真を和装や礼服に変えることも可能なため、写真の雰囲気そのものが気になる場合は、加工の範囲について葬儀社や写真店に確認してみましょう。
加工の幅は店によって異なるため、候補写真をいくつか持参して比べてもらうのが確実です。

迷いやすい判断のポイントを整理すると、次のように考えると決めやすくなります。

加工の種類選び方の目安
背景色故人のイメージ・好みの色・仏壇の雰囲気に合わせて選ぶ。迷ったら薄いグレーか水色が合わせやすい
服装の差し替え「その服装が故人らしいか」を軸に。礼服に統一する必要はない
修整・レタッチ自然な範囲(しわ・日焼け跡)に留め、別人のようにならないよう葬儀社に相談する

葬儀撮影を依頼する

葬儀撮影は「電話」もしくは「お問合せフォーム」からご依頼が可能です。

遺影写真の入稿・依頼はどう進める?

葬儀社への写真提出は、葬儀の1〜2日前までが一般的です。
データ入稿と写真プリント入稿のどちらにも対応できるよう、候補を複数用意しておくと安心です。

遺影写真の入稿は、多くの場合葬儀社を通じて写真店へ依頼する流れです。
急なご逝去の場合、写真の準備は通夜の準備と並行して進むことになります。
あらかじめどこに候補写真があるかを家族で共有しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。

データで提出する場合はスマートフォンのアルバムから元データを選んで送付できますが、古いアルバムにある写真プリントを使いたいときは、スキャン対応の写真店へ依頼します。
葬儀撮影サービス|燈が記録した葬儀では、式当日に撮影したカットから遺影の候補が見つかるケースもあります(葬儀撮影の事例をご参考ください)。

出典:個人情報保護委員会

入稿方法主な手順
データ(スマホ・カメラ)元データのまま葬儀社へ提出。LINEの圧縮に注意
写真プリントをスキャン写真店にスキャンを依頼し、データ化して入稿
プロ撮影データを流用葬儀撮影のカットから遺影用を選定・加工

入稿の際に加工の希望(背景色・服装の差し替えなど)があれば、写真データとあわせて言葉で伝えておくとスムーズです。
「グレーの背景で」「礼服に差し替えてほしい」という一言だけでも、仕上がりのイメージが共有しやすくなります。

写真を手に取る手元

事前に遺影を準備しておくことはできる?

生前に遺影用写真を撮影・準備しておくことは、ご本人とご家族の両方にとって安心につながります。
特別なことではなく、終活の一環として広く行われています。

「まだ元気なのに遺影の準備をするのは縁起が悪い」と感じる方もいますが、実際には生前に自分らしい一枚を選んでおきたいというご本人からの希望も増えています。
いざというときに家族が慌てて写真を探す必要がなくなるため、ご遺族の負担を軽くする意味でも意義があります。

生前準備としての遺影写真については、遺影写真の準備を家族で進める手順でより詳しく解説しています。
お元気なうちに家族でゆっくり話し合い、候補写真を決めておくのも、大切なご準備のひとつです。

葬儀の記録と遺影を同時に残す——葬儀撮影サービス|燈のプラン

葬儀当日の撮影を通じて、祭壇に飾られた遺影まわりも丁寧に記録しています。
式の記録写真の中から、ご遺族が遺影の候補となるカットを選ぶことも可能です。

東京23区は出張費無料でご依頼いただけます。
詳細やご相談は葬儀撮影の相談・依頼フォームからどうぞ。

まとめ:遺影写真は選び方・サイズ・入稿の3点で整理する

遺影写真は、葬儀の場で故人を偲ぶだけでなく、その後も長くご自宅に残るものです。
あわてて選ぶことなく、候補を2〜3枚用意し、葬儀社や写真店と相談しながら進めることができます。

  • 顔にピントが合い、故人らしい表情の写真が遺影の基本条件。候補は2〜3枚用意する
  • 葬儀用の標準サイズは四つ切(254×305mm)、仏壇・手元用はL判〜2L判
  • スマートフォンの元データは多くの場合入稿可能。LINEやSNS経由で圧縮されたものは使わない
  • 背景色・服装の加工は「故人らしさ」を基準に。加工の幅は葬儀社・写真店に確認する
  • 生前に候補写真を選んでおくと、ご家族が急ぎの判断をしなくて済む

遺影写真の作り方に関するよくある質問

遺影写真はいつまでに用意すればよいですか?

葬儀社への写真提出は、通夜の前日〜当日朝が多いです。
急ぎの場合でも2〜3枚の候補を用意しておくと、葬儀社と一緒に最適な一枚を選べます。
可能であれば、葬儀の準備を始めた段階(逝去後1〜2日以内)に候補を絞り込んでおくと落ち着いて進められます。

何年前の写真でも遺影に使えますか?

年数よりも、写真の品質(ピント・解像度・表情)が優先されます。
古いフィルム写真もスキャンによってデータ化できる場合があるため、葬儀社や写真店に相談してみてください。
フィルム写真は原版(ネガ)が残っていると、スキャン後の画質が高くなります。

ポートレートモードで撮った写真は遺影に使えますか?

使えることが多いですが、背景ぼかし(ボケ)処理が強くかかった写真は、人物の輪郭が切り抜きにくくなることがあります。
ポートレートモードの写真を使う場合は、背景との境界部分を葬儀社に確認してもらうのが確実です。
元データのまま提出し、写真店のプロに判断を任せるとよいでしょう。

複数人が写った写真から一人だけ切り抜けますか?

多くの写真店で対応していますが、他の人物と重なっていたり境界が複雑だったりすると難しくなります。
できるだけ一人で写っているか、人物がはっきり分かれている写真が理想です。
候補が集合写真しかない場合は、切り抜き可否を葬儀社に確認してから進めてください。

葬儀撮影のプロに頼むと遺影写真も作れますか?

葬儀当日に撮影した記録カットを遺影用として活用することは可能です。
葬儀撮影サービス|燈では式当日に撮影したデータをすべてお渡ししており、ご遺族がその中から遺影の候補を選ぶこともできます。
詳しくはプランのご案内をご覧ください。

本記事の監修者
葬儀撮影サービス|燈監修の川人大展が公園で微笑む肖像、葬儀撮影の専門家として紹介

監修者|川人 大展

葬儀業界歴5年。
葬儀社にて現場運営やご遺族対応、式場管理を担当してきました。「葬儀撮影サービス|燈」では、進行やご遺族の心情に配慮した表現を監修し、実務経験に基づく正確で信頼できる情報発信を支えています。

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